2022年4月おすすめ本 | 築地本願寺

2022年4月おすすめ本

  • あせらず あわてず あるがまま

    大平光代 友久久雄

     ダウン症の娘さんをもつ弁護士の大平光代さんと、児童精神科医として様々な困難を抱えた子どもたちに接してきた友久久雄さん。お二人が、子どもたちとの向き合い方について、自身の経験を交えながらお話しされている対談本です。
     障がいを持っていたり、いじめに巻き込まれたり、不登校になったりする子どもを育てる家族や医療・教育関係者にむけて、まず「受容」が出発点であることを軸に対談が進んでいきます。第三章「子育てと仏教」では、中央仏教学院を卒業されたお二方が、仏教を学んだことで基本的な考え方が変わったことをお話しされています。
     「今ここで、あるがままでいい」――。
     仏教のおかげで気づかされた経験が積み重なり、当事者として、また支援者としてそれぞれの「障がい受容」につながった過程が語られ、また同じ問題に苦しむ人々へ豊富な事例をあげ、問題解決のヒントも多く提示されています。
     苦しい時も、まずは「受け入れること」。そうすれば道が開けるかもしれない…本書はきっとそのきっかけを与えてくれることでしょう。

  • ご縁を慶び、お念仏とともに

    今井雅春・満井秀城・野瀬妙恵

     親鸞聖人ご誕生850年・浄土真宗立教開宗800年を記念して発行された法話集。開祖である親鸞聖人の生涯と教えについて、身近な日常の生活場面と関連づけて学べるように綴られた、親しみやすい真宗入門書でもあります。
     満井秀城師による法話では、代表的な真宗経典『顕浄土真実教行証文類(教行信証)』中の文章を取り上げています。「遠く宿縁を慶べ。もしまたこのたび疑網に覆蔽せられば、かへつてまた曠劫を経歴せん。」
     過去があって今がある。私たちはひとりでに存在しているのではなく、多くの人々の縁によって生かされている。このことについてエゴから疑念を抱くならば迷いが生じる、という意味だと説かれています。
     「おかげさま」の心をもつことで生きやすくなる。春らしいあたたかい空色の装丁が美しく、普段お寺に縁のない方にもサラリと読める一冊です。

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