2022年6月おすすめ本 | 築地本願寺

2022年6月おすすめ本

  • 富士川游の世界

    桑原正彦 田畑正久 編

     富士川游は明治、近代医学の黎明期から昭和にかけて活躍しました。『日本医学史』の編纂は非常に大きな功績です。また40数編に及ぶ仏教に関する著作を残しており熱心な仏教徒でもありました。「病気を診るのではなく病人を診ることが大切」ということを説いています。患者の治療の根幹はその心に沿ってなされるべきということです。病気は人を不安にします。不安を取り除き、患者の心を救うには科学的治療だけでは足りません。富士川は仏教、浄土真宗がその解決の助けになると考えたのです。
     7人の著者が富士川游に関して執筆。孫にあたる富士川義之さんも特別寄稿しています。いま富士川游を見直す意義をそれぞれに説いていきます。生老病死を医療と仏教共通の課題として取り組むことで大きな成果があるはずであると。いかに苦しむ人々を救うのか。富士川游はこの命題に対するひとつの答えを仏教の教えの中に確かに見出していたのでした。

  • 感謝の精進料理

    杉本節子

     法要の後に、読経下さった僧侶と列席者へお礼の意を表し、故人を偲び供養する食事会のことを「お斎(とき)」と呼びます。お斎の席で主として精進料理が供されるのは、仏教の不殺生戒(ふせっしょうかい)にのっとり、他のいのちに支えられて生かされていることへの感謝の心を込める意味があります。
     本書では、料理研究家の杉本節子氏が、お斎だけでなく普段の食卓にも精進料理を取り入れやすいよう、季節の素材を生かして気軽に作れる献立の数々を紹介しています。
     昆布や干ししいたけ、大豆から取った精進だしを使用し、野菜・豆・海藻が主材料。「豆腐のだし巻き卵風」は、水切り木綿豆腐と山芋のすりおろしを練り合わせ、くちなしで黄色く色をつけて蒸したもので、卵から作ったものと見た目が全く変わらないなど、楽しい驚きが色々。健康のために自然な食生活を営む上で、心強い手引きとなってくれるレシピ集です。

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