2020年11月のおすすめ本 | 築地本願寺

2020年11月のおすすめ本

  • 『おてらくご 落語の中の浄土真宗』特別付録CD付き

    釈撤宗

    宗教と芸能は切っても切れない関係で結ばれています。クラシック音楽の源流がキリスト教にあるのと同じように、日本の伝統芸能には仏教の影響を受けているものが数多くあります。とりわけ落語は、お説教の影響を大きく受けた芸能の一つであり、実際に、はなしの終わりを少し変えれば、説法になる落語はたくさんあるようです。読んでいくうちに、落語と仏教の意外な関係性が見えてくる一冊です。秋の夜長、本書を片手に、特別付録CDで節談説教と落語を楽しんでみるのはいかがでしょうか。

  • 医療文化と仏教文化

    田畑正久

    現役の医者であり仏教者でもある著者が、医療現場における仏教の役割をどのように考えているかを医療関係者のみならず、一般人にも向けて綴っている。
    「治療」「ケア」によって健康が続き命が長く保たれることは、医療現場だけでなく一般の人にとっても大切な事であるものの、ただ延命行為をすることだけが正しい道なのではなく、長生きの質を考え、患者それぞれが望んだ処置を施していくことがこれからの医療現場に求められていくのではないか著者は考えており、日本のみならず世界的にもこの考え方は重要視されてくるのではないかと思わせてくれる。
    科学的な合理主義的による計算的思考に立った医療文化、あるがままの現実を知性的・理性的に冷めた目線で見る仏教文化。
    この異なる二つの文化が折り重なりながらもそれぞれの立場をわきまえて行動することが、今後の「治療」「ケア」の新たな文化となっていくのではないかと考えさせてくれる興味深い一書である。

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