御同朋の社会をめざす運動

2018(平成30)年度「実践運動」東京教区委員会計画

2018(平成30)年度「御同朋の社会をめざす運動」東京教区委員会計画

 

1.東京教区総合基本計画

宗派の「『御同朋の社会をめざす運動(実践運動)』総合基本計画」に基づき、教区の事情・ 特徴を踏まえて策定されるのが「東京教区総合基本計画」です。

 

<基幹運動と実践運動に共有される精神>

「実践運動」は「基幹運動」の成果と課題を引継ぎ、宗門内外の人々とつながりながら「あらゆる人々に阿弥陀如来の智慧と慈悲を伝え、自他共に心豊かに生きることのできる社会の実現」をめざし展開してゆく運動のことです。

2012年4月より始動した「実践運動」は、それ以前に展開されてきた「基幹運動」を、さらに発展させる為の運動であると考えられます。特に「基幹運動」では、「視点が内向きになりがち」「教団外への働きかけが不十分」といった課題がありました。これを克服するため「教団及び寺院の外にアプローチする」「3年間という期間の中での具体的な達成目標を掲げる」事を意識し、改められた運動が実践運動なのです。つまり「いのちの尊さにめざめる同朋一人ひとりが自覚を深め、浄土真宗のみ教えを社会に広め、実践してゆく活動」なのです。

*2012年度より、3年を1期間として進められてきた「実践運動」でしたが、これまでの歩みより、4年を1期間とした方が適切であることが確認されました。そこで、2020年度より4年を1期間とする為、2018年度~2019年度は調整期間とすべく、2年を1期とすることが宗派の方針で確認されています。

 

<『宗制』と実践運動>

2007年に改められた『宗制』には「本宗門は、その教えによって、本願名号を聞信し念仏する人々の同朋教団であり、あらゆる人々に阿弥陀如来の智慧と慈悲を伝え、もって自他共に心豊かに生きることのできる社会の 実現に貢献するものである」(『宗制』)との一文が加えられました。

その後、親鸞聖人750回大遠忌法要を迎え、2012年以降、宗派は新体制・新組織のもとで実動を開始しました。その特徴はあらゆる人々を対象に、教えを伝えることにより「自他共に心豊かに生きることのできる社会の実現に貢献する」運動(実践運動)に体現されています。まさに実践運動は宗務全体の基本理念なのです。

 

<『念仏者の生き方』と実践運動>

2016年10月1日、第25代専如門主は伝灯奉告法要に際し、ご親教『念仏者の生き方』で「仏法を依りどころとして生きていくことで、私たちは他者の喜びを自らの喜びとし、他者の苦しみを自らの苦しみとするなど、少しでも仏さまのお心にかなう生き方を目指し、精一杯努力させていただく人間となるのです」と、念仏者の具体的な生き方をお示しくださいました。さらに、「国の内外、あらゆる人びとに阿弥陀如来の智慧と慈悲を正しく、わかりやすく伝え、そのお心にかなうよう私たち一人ひとりが行動することにより、自他ともに心豊かに生きていくことのできる社会の実現に努めたい」と、『念仏者の生き方』が実践運動に通じるとのお示しがなされているのです。

 

<東京教区における実践運動の特徴>

「首都圏特区」が含まれる東京教区は「開教」という視点が必要な、全国でも特異な環境にあります。このために築地本願寺の制度が変わったのは周知の通りです。しかし、首都圏における伝道は築地本願寺だけが担うものではありません。東京教区・教区内寺院の活動がそのまま都市開教に繋がることを意識すべきと考えられます。教区内寺院の活性化と両輪で進められるべきでしょう。

また東京教区は日本の政治経済文化の中心地を抱えることも特異な点です。東京で始まったことが徐々に地方に波及するあらゆる例を見れば、東京教区に生きる人々の生き方が全国に影響を及ぼせるはずだと思います。

これらの地域的な特徴を踏まえ、これまでの東京教区の実践運動は展開されてきました。例えば、東京教区において山積する課題の一つとして、特に首都圏に多くみられる宗教的浮遊層に対し、新たな開教を意識しながら、通過儀礼を推奨する取り組みが行われてきました。

また、人々の悲しみや現実の苦悩に向き合う「自死者追悼法要」「事前学習会」などが継続的に営まれている取り組みです。

さらに、非戦平和を多くの人々に呼びかける運動として「へいわフォーラム」も開催しています。千鳥ヶ淵全戦没者追悼法要の前日に築地本願寺を会場に開催できることも、東京教区の実践運動の特徴の一つと言えると思います。

 

<運動の継続性について>

これら上記の取り組みを含め、その他多くの活動が行われています。これらは非常に重要なものですが、いつまでも永続的に続けられるわけではありません。変化の速い時代において、活動そのものが時代に適応したものであるかを含め、見直す必要性を想定しておくことも大事な視点です。特に、今期より重点プロジェクトが統一されたことで新たな取り組みが増えることとなりました。どの取り組みも永続的に行われると、新たな取り組みに対応できなくなる懸念もあり、時限的に取り組みを見直す必要があります。

今期は、宗派で新たな活動の方向性を整えながら、実践運動の推進期間も改められる区切りの年となります。そこで今年度より、全ての取り組みに対し、時限的に活動の検証結果を踏まえながら精査し、継続の有無を判断する仕組みを整えます。全ての活動に対してアンケートなどを行い、分析することで検証結果を得ることとします。さらに検証結果を蓄積しながら、活動の継続に対する評価を得て、それぞれの取り組みに活かしていきます。

 

2.スローガン  「結ぶ絆から、広がるご縁へ」

 

3.東京教区重点プロジェクト

実践目標 <貧困(ひんこん)の克服(こくふく)に向(む)けて~Dāna(ダーナ) for(フォー) World(ワールド) Peace(ピース)~>

-子(こ)どもたちを育(はぐく)むために-

 

推進期間 2018(平成30)年度~2019(平成31)年度までの2年間

 

達成目標 貧困問題に対する知見を広め、調査を行い、他団体との連携を模索する

 

推進計画 2018(平成30)年度 子どもたちを育むために、貧困問題についての

基礎知識を深め、調査を行う。

2019(平成31)年度 他団体と連携し、具体的な取り組みを始める。

 

<貧困問題に対する知見を広め、調査を行い、他団体との連携を模索する>

第3期となる今期の重点プロジェクトでは「<貧困の克服に向けて~Dāna for World Peace~>-子どもたちを育むために-」との実践目標をたて、宗門全体で一体感を持って取り組むこととなりました。

この目標設定の背景には、これまでに宗門が示してきた「平和貢献策」が関係しています。

いわゆる世界で深刻化する経済格差は、貧困問題を引き起こします。貧困は子どもへと連鎖的に引き継がれ、当事者において克服が困難な課題となります。その為、貧困問題は、やがて紛争やテロへと展開し得る一因と考えられています。貧困問題は、平和を揺るがす因子となり得る問題なのです。従って、貧困の克服に向けた歩みは非常に重要であり、平和への取り組みと軸を一にする活動でもあるのです。

そこで、第3期の東京教区重点プロジェクトでは、「貧困問題に対する知見を広め、調査を行い、他団体との連携を模索する」ことを目標とします。具体的には、貧困問題に対する研修会を行い、基礎知識を深めると共に、各地域などにおいて貧困実態の調査を行い、我々の運動に適した取り組みを模索していきます。その過程の中で、子どもたちを育むため貧困問題に対して既に取り組みを行っている他団体との連携も模索し、具体的な取り組みを行います。

 

4.部門活動  3つの部門と2つの専門委員会の体制で運動を進める。

 

①研修部門

僧侶寺族研修会や連研のための研究会など、主に自らの研鑽に繋がる研修の企画を行います。特に、「私たち一人ひとりが真実信心をいただき」教義に基づきながら展開される取り組みが実践運動の基本となります。その側面を基本としながらも、差別問題に対する研修、東京教区の実践運動に関連する研修会も含め、企画・運営を行っていきます。

【行事・担当事項】

◎貧困問題に関する研修会(対象:教区内僧侶)〈新設2018年度のみ〉

上半期に、「貧困問題」・「子どもの貧困」に関して、それぞれの研修会を行い、重点プロジェクト推進の為の研鑽を深めます。

第1回:2018(平成30)年4月25日(水)

第2回:2018(平成30)年6月26日(火)

◎僧侶寺族研修会(対象:教区内僧侶、寺族)

夏期:2018(平成30)年7月18日(水)〜20日(金)3日間

冬期:2019(平成31)年2月 7日(木)〜 8日(金)2日間

教学の理解、差別、貧困に対する理解を深めます。

夏期は安居の時期にあたります。3日間連続で開かれるのはこのためであり、冬期と合わせ5日間、伝統的な研鑽の場を意識しつつ社会の中で行動できる素養を身につけたいと思います。

なお、寺族の参加も可能であるので、積極的な参加を奨励したいと思います。

◎連研のための研究会(対象:教務所長、教区委員会委員、組長、教区および組の連研担当者、 研修講師、中央実習修了者及び履修生、門徒推進員)

2018(平成30)年10月11日(木)

テーマ: 宗派主催の行事ですが、研修部門の担当とすることで教区の運動の一部とします。東京教区 独自教材『連研ノートTokyo』や新たに発行された『連研ノートE』を通した模擬連研などによって、参加者側・運営側両方の立場に立って効果的な連研開催のあり方を探りたく思います。この中で連研、そして各問いの内容に対する問題意識を高めるのが目的となります。

◎「実践運動」東京教区合同協議会(対象:組委員長、組副委員長、教区委員、教化団体代表)

2018(平成30)年4月25日(水)

教区内の役職者が一同に会し、「実践運動」への理解を深めるための研修、ま

たは報告を行い、さらに教区・組・各組織・僧侶・門徒の連携を図り、より一層の運動推進を図ることを目的とします。組の今年度の動きを報告する場でもあります。

 

②社会部門

社会と積極的に関わり、社会問題にも関与する活動が実践運動の柱の一つです。これを受けて、へいわフォーラムや東北ボランティアツアーなど、主に社会との関わりや広く一般に向けた行事の企画・運営を行います。宗門外の人々と接し、社会の中で寺院の存在意義を訴える機縁にしたいと思います。

【行事・担当事項】

◎へいわフォーラム2018(対象:一般)

2018(平成30)年9月17日(月)(千鳥ヶ淵全戦没者追悼法要の前日)

2005年に「平和を願うつどい」として始まったこの行事はキャンドルナイト、映画、コンサート、講演など年によって形態を変えながら一般の方と共に平和や環境について考えを深めてきました。

◎東北ボランティアツアー(対象:僧侶、寺族、門徒)

2018年8月 4日(土)~ 5日(日)

◎「自死者追悼法要」(対象:自死遺族)

自死により大切な人を失った遺族の方と共に、いのちを見つめる時間を持つために開催する。6回目となるこの法要に対し、教区委員として参加する僧侶を募っていく。

 

③研究部門

2012年度からの制度変更により、浄土真宗本願寺派総合研究所は「宗門のシンクタンク」と位置づけられました。この東京支所が築地本願寺内にあることから、東京教区内の諸問題に対し、連携して協議する場として研究部門を設けました。

これまで、通過儀礼に関する取り組みを中心に活動を展開してきましたが、今

期から新たに始まる重点プロジェクト(<貧困の克服に向けて~Dāna for World

Peace~>-子どもたちを育むために-)の推進の為にも、東京支所と共同して取り組みを進めていきます。

 

 

 

【担当事項】

◎総合研究所東京支所と連携し、各寺院を活性化させる目的のもと、これまで進めてきた通過儀礼推奨に関する更なる研究・提言・取り組みを検討する。

◎宗派外団体の模索と連携

今期より新たに始まった重点プロジェクトを東京教区で推進する為、特に「他

団体との連携を模索」することを進めていきます。

◎公開講座・講演会等開催助成制度(築地本願寺の制度)の周知と活用のはたらきかけ

 

-専門委員会-

より専門性が必用とされる課題に特化した協議体です。専門委員会は一定の成果、または目的が達成された後は、その成果を他の部門で引き継ぐこともあり得ます。

 

 

〈東京教区HP設立専門委員会〉

東京教区のHPを新たにリニューアルするに際し、特別に設ける専門委員会です。

 

〈東京オリンピック・パラリンピックに合わせた企画実行専門委員会〉

 

-常任委員会-

常任委員会は東京教区における運動推進において、各部門・専門委員会を統括し、円滑な運営のための検討を行う会議体です。また、臨時緊急の必用がある事項を処理するものでもあります。

【担当事項】

(1) 宗派内各組織との連携を密にするための検討

(2) 中央委員会への意見具申

(3) 教区委員会・組委員会担当者会議の運営

(4) 各部門間の連携構築

(5) 同宗連(『同和問題』にとりくむ宗教教団連帯会議)行事への参加奨励

(6) 教区報の原稿確認

(7)音御堂at築地本願寺

2018年8月30日(木)

 

 

【行事・担当事項】

◎「実践運動」東京教区委員会(対象:教区委員)

第1回2018(平成30)年4月25日(水)

第2回2019(平成31)年2月8日(火)

運動推進に携わる教区委員が一同に会し、東京教区における実践運動について協議を行い、委員の配置や翌年度の計画を決定します。

◎組委員会担当者会議(対象:常任委員・組委員会担当者1名)

2018(平成30)年9月6日(木)

組委員会の担当者と教区の常任委員による協議体です。宗派・教区の動きを組に伝えるとともに、組からの意見を受け止め、組の運動を円滑にすることを目的とします。これによって実践運動の浸透をはかり、実務に関する情報の共有も行うこととします。

◎常任委員会定例会議

第1回2018(平成30)年4月25日(水)

第2回2018(平成30)年6月26日(金)

第3回2018(平成30)年9月6日(木)

第4回2018(平成30)年12月21日(金)

*必用に応じて臨時の開催もあります。

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