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雅楽の楽しみ

雅楽は中国を源流とする音楽で、仏教とともに日本に伝わったといわれます。本願寺(西本願寺)では、第12代宗主准如上人(じゅんにょしょうにん 1577~1630年)のころより法要で依用されるようになります。以降何人かの宗主が雅楽器を奏したという記録も残っており、雅楽は本願寺にとって欠くことのできない音楽文化となりました。
ここ築地本願寺でも、法要や結婚式などで雅楽が奏されます。ぜひその音色に、耳を傾けてみてください。

雅楽器の楽しみ

雅楽器の楽しみ

主旋律を奏でる縦笛
篳篥(ひちりき)

篳篥の音色は人の声を表すとされ、雅楽合奏では主旋律を担当します。楽器自体は約18cmと縦笛の中ではかなり短いながらも、演奏者の息づかいひとつで変化に富んだ表情豊かな音楽を奏でることが可能です。

篳篥(ひちりき)

主旋律を華やかに装飾する横笛
龍笛(りゅうてき)

龍笛は約40cmの横笛で、2オクターブの音域を有します。雅楽器の中では音域が広く、華やかで動きのある音楽を奏でられることから、主旋律を奏でる篳篥に対し、そのメロディーを装飾する役割を担います。
またその音色は、天空を自由に駆けめぐる龍の声を表しているといわれ、雅楽の曲目は、この龍笛の音色に導かれるように始まります。

龍笛(りゅうてき)

ハーモニーで合奏を支える「ザ・雅楽器」
笙(しょう)

笙は細い竹の管を組み合わせた楽器で、その美しい形が、両翼を立てて休む鳳凰のように見えることから、鳳笙の別名で呼ばれることもあります。
音色はハーモニカに似ていますが、息を吸っても吐いても同じ音が出るという特徴を備え、竹管の組み合わせにより、さまざまな和音を奏でることができます。

笙(しょう)

演奏者のそばには火鉢等が置かれていますが、これは、息に含まれる水分で笙が結露しやすいため、楽器を温めて乾燥させながら演奏するためです。

音楽の進行を司る打楽器トリオ
羯鼓(かっこ)、太鼓(たいこ)、鉦鼓(しょうこ)

雅楽の世界では、打楽器を「打物(うちもの)」と呼びます。
小型の鼓である羯鼓は、左右の面を細い撥(ばち)で打ち鳴らし、音楽の進行を司ります。そのため、羯鼓の奏者はオーケストラの指揮者のような役割を担っています。
大型の鼓である太鼓は、「どん」というやわらかな低音で大きなリズムを刻みます。

<羯鼓>打物(うちもの)

<太鼓><鉦鼓>打物(うちもの)

<大太鼓>大太鼓

ちなみに築地本願寺の本堂正面の左右にある「大太鼓(だだいこ)」は、この太鼓の仲間です。
金属製の鉦鼓は、「ちん」という響きで、小さなリズムを刻みます。